顧客資本主義

有史上、資本主義の概念は悠久の昔から続いているように感じるものです。

しかし、企業にせよ株主にせよ資本を確保することで得られる力の限界を思い知らされる出来事が多々あるでしょう。顧客である企業の成長に目を向けた「顧客資本主義」というスタンスは、経営面において万能だといえると考えられます。

株主資本主義の限界

資本主義は、資本や企業価値を向上し続けることを目的としていますが、そろそろこの無謀な考えから「健全な経営マインド」を持つ時期が来たのではないでしょうか。

企業が昨年対比や売上伸張率などの目標を達成するために切磋琢磨し、この結果として株主にメリットが生まれるというのが、現在考えられている資本主義です。

しかし、今回の経済不況に伴い、国内外の株主はどれだけの恩恵が受けられたのでしょうか?株価自体は社会における企業の期待感によるものであるため、これを常に右肩上がりで進むのは不可能なのです。

ここで「不可能」という言葉を用いらざるを得ない以上、株主をメインとした既存の資本主義は継続すべきではないと考えるのが妥当だといえます。ただ、一点断っておくと、新たな資本主義といえども「日本経済からの脱却」という意味ではなく、経営マインドの在り方について言及するものであるので誤解無きよう取り組まなければなりません。

それでは、新たな資本主義の考え方「顧客資本主義」とはどのようなものなのでしょうか。

なぜ顧客が主役なのか

自身で社会保険労務士事務所を経営する場合、通常であれば主役は「自分」です。
しかし、顧客資本主義では、この一点のみが重大なポイントであり、その他は瑣末なことです。具体的に説明するとサービス料金のプライシングを例にすると分かりやすいでしょう。

これは、著書「社労士が年収1000万円稼ぐ一番シンプルな方法」のP184「業務の価値を精査する」でも説明したとおりですが「ある一定の収益を確保する」または「自分のキャリアではこの価格だろう」という、自分を主役にした価格設定が機能するのは稀なことであり、これならばまだ「業界に右に倣え」の方がまだましだといえるでしょう。

では顧客を主役にした場合、どのようになるのでしょうか。

これは「自事務所の顧問サービスは●●や××のサービスを行うので、企業にとって△△円の価値がある。だから▲▲円の報酬を貰うべきだ」となります。また、社会保険労務士が携わらずに今まで存在している企業があり、そこに社労士サービスを有料で受けるということに抵抗を感じる気持ちを理解し、どのようなサービスによって企業の価値(資本)が向上するか、ということを考えなければなりません。
つまり極論をいえば、クライアントからの報酬は「企業価値を上昇させた結果の副産物に過ぎない」ということになります。

顧客資本主義とリスクヘッジ

ホライズンワークスでは、この顧客資本主義を基に経営されており、この考え方が社労士業界だけでなく、全ての業種で対応可能だと実感しています。

2009年度、リーマンショックに端を発した悪夢のような経済不況の際、大小問わず「これでもか」というくらい会社が倒産しましたが、弊社も弊社のクライアントである社労士も特に問題はありませんでした。

これは、顧客資本主義が経営自体のリスクヘッジになるからです。詳しく説明すると、常に顧客満足度やクライアントの価値向上をメインに取り組むために、自社の収益面における向上は、さほどでないかもしれないが、少なくともクライアントに関しては「少々の問題にも屈しない資本と人材と弊社への感謝がある」という状況をいくつも作ることができたといえるでしょう。

この状況で不況が到来しても、弊社との取引を解除する企業は殆どありませんでしたし、それはクライアントである社労士も同様でした。

もう、お分かりだと思いますが、顧客資本主義の本質は、顧客を主役にし、企業価値向上を追及することで、クライアントとしてもパートナーとしても強固な絆を構築するために最適な考え方なのです。

また、顧客を主役に置くことで、サービス内容やレベル、あるいはアフターフォローの充実の必要性が自ずと発生しますが、これは、助成金などのフロント商品でスポットを漁る「焼き畑農業的」な営業から「農耕的」な営業、すなわち顧客啓蒙というフェイズに進むことができるという利点があります。

安定した収益を獲得するためには短期的な利益獲得ではなく、長期的な蓄積型の収益構造を作るのが近道であるため、ぜひとも顧客資本主義という新たな価値観と出会い、活用していただきたいと思います。

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